過払い金の存在が判明したとしても、過払い金返還請求手続きをしない限り、その金は手元に戻ってきません。
ところがその「過払い金返還請求」を行う、つまり、「過払い金請求権を行使する」にあたっては、その前に「過払い金返済の時効」というものが存在します。
なお、この「過払い金の返還を請求する権利」を言い換えると、「不当利得返還請求権」となります。そして、この不当利得返還請求権の消滅時効期間は、「10年」となっています。問題は、それが何時の時点から進行するか、つまりこの請求権の発生基点は何時か、ということです。
これまでは、二つの説がありました。一つは、「取引終了時点説」です。これは、貸金業者との取引が終わった時点から進行すると言うものです。もう一つは、「個別進行説」。これは、それぞれの過払い金返還請求権は、返済の時点から10年を経過するごとに、順次時効により消滅するというものです。
そして、この二つの説がずっと対立してきました。しかし、平成21年1月、同3月に、最高裁判所が、「過払い返還金請求権の消滅時効は、取引終了時から進行する」と言う判決を相次いで出した事から、決着しました。従って、過払い金返還請求権の消滅時効は、「貸金業者との取引が終了した時点から10年」と言う事で決着したことになります。
たとえば、平成15年に取引が終了した案件は、請求権の消滅時効が平成25年ですから、今(平成22年)現在、過払い金返済請求を行う事ができます。しかし、取引終了時点が平成10年の場合、既に請求権の消滅時効が経過していますので、過払い金返還請求は行えません。過払い金返還請求を行う前に、以上の事を調べておきましょう。